記事タイトル

救出作戦!

「完熟メロンと杏仁豆腐のパフェ」は終了いたしました。
「抹茶クリームの和づくしパフェ」は明日には終了予定です。
どちらもご愛顧ありがとうございました。
次の限定メニューも開発中です。


たびらいの記事より

レギュラーメニューも開店以来19年もの間
愛され続けている理由があります、そちらも是非。

先週の三連休が終わったあと、こんなことがありました。

最終日は天気も回復しそこそこの来客、ほどよい疲れが残った。
風呂に入る前にFBを眺めていると林道で自転車を追いかける子猫の動画が。
鳴き声からして明らかに人恋しがってる。
自転車ということもあり、そのままにしてきたとのこと。

捨て猫のようだ、どうする?あんな山の中で生き延びることができるか?
投稿を見たのは23時。すぐにコメントして場所に当たりを付け、出かける用意をする。
何事?と尋ねる妻に話すと一緒に行ってくれると。

福岡糸島市の白糸の滝までおよそ150km、高速を使っても2時間半。
妻も疲れてるのに当たり前のようについてくる。
動画をよく見て地形や植栽を把握。

深夜2時に現場につくとこちらじゃないか?という道があったが地図の印の場所とは逆方向。
印の場所へ行くもキャンプ場や駐車場があり、紫陽花も咲いているので違う場所と判断。

先ほどの道へ戻り等高線の入ったG-mapを頼りに進んでいく。
登山経験のおかげで地形図が読めるのが役に立つ。
笹が倒れている細い林道を4-5km進んだところだろうか、見覚えのある風景が広がった。

すぐに車を停め、ライトをかざし来た道を歩いて戻ると..光る目が4つ!いた!
黒っぽい方はすぐに抱っこされた、茶色の方は距離を置く。
ゆっくり近づいて道路脇に降りるところギリギリキャッチ。
車に戻り餌を与えるとものすごい勢いで食べる、身体もガリガリだ。
あと数日持っただろうか?



行きの高速で、こんな夜中に行って居なかったらどうする?
何でわざわざ小国から行く必要がある?と自問自答したが、見つける自信もあった。
夜の方が猫の目が光るので茂みにいても分かると思ったからだ。
まさか向こうから走ってくるとは思わなかったが...。

285kmの深夜ドライブ後、帰宅したのは早朝5時。
家に入れても物怖じしないところを見ても飼い猫だったのは明らか。
お腹いっぱいご飯を食べたあと、私の上で2匹とも眠った。



めでたしめでたし!..と言いたいところだが
実はサヴァが4匹の赤ちゃんを産んで倉庫で育てている。
乳離したら家猫にするつもりだ。さて、どうする?後先考えないからこんなことに..。


サヴァの4匹の子供たち、1匹見えないけど

普段車が通らないような山奥の林道にこんなに可愛い猫を捨てた飼い主に
私は勝ったのか?負けたのか?
だがササを死なせ、チョビも救えなかった私の気持ちが少しだけ救われたので良しとしよう。
行ってなかったら絶対に後悔していただろうから。


以上のことを個人のFBに書いたら、有難いことに引き取り手が見つかりました。
サヴァと2匹の子供を私たちで育てるつもりです。



家でくつろぐ、この子たちとお別れするのは寂しいですが..
って、そこ暴れない!今も2匹で運動会やってます(笑)。


明日は午後には天気が回復する見込みですね。
当店に来れなくても投票に行くのはお忘れないようお願いいたします!


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営業時間/11:00〜17:00
店休日/毎週木曜
9/3(火)- 5(木)は展示会のためお休みします

Facebookページ / Tea room茶のこ
Instagram / chanoko_aso
Instagramロードバイク用アカウント / t_chanoko

近頃思うこと

ゴールデンウィークの10連休、なんとか無事終了いたしました。
長い時間お待たせしたり、混雑してるからと来店を見送ったお客様
お気遣いありがとうございました。

このGWに登場した新メニュー
「ベリーベリーのミルフィーユ パフェ」税別 900円。



使う場所によって焼き方を変えた3種類のサクサクのパイに
バニラビーンズたっぷりのカスタードクリーム
旬のイチゴや数種類のベリーにバニラアイスの組み合わせ。

早速食べていただいたお客様に
「今まで食べたパフェの中で一番美味しかった!」とお褒めいただきました。
お客様によっては「これ安いよ、1,500円してもおかしくないよ!」
と言ってくださるお客様までいらっしゃいました。

その一方「普通に美味しかったけど高い、時間もかかった」と言う方もいて
正直、非常に残念な気持ちになりました。

オームの48%純生クリーム、小国ジャージー牛乳、くじゅうの地玉子の卵黄に
グラニュー糖、マダガスカル産バニラビーンズで作った
自家製バニラアイスの価値がわかっていただけなかったようです。

店を始める前に亀の井別荘の中谷さんから
「安くするのは簡単だ、高くいるのは難しい」と言われたことを思い出します。
高い分、期待も高くなり、求められることも多くなります。

正直、安く作るのは難しくありません、むしろ簡単。
今はいろんな食材が売ってあるのでそれを組み合わせるだけでOK。
素人が明日からだってカフェを始められます。
でも、こんな田舎までわざわざ来ていただいたお客様に
最高のものを提供したいと思うのは間違いでしょうか?

私どもは田舎だからという甘えは一切持ってません。
都会でも十分以上に通用するものを提供していると自負しております。



当店はTea roomを名乗っております。
開店当初の2000年はメニューにコーヒーはありませんでした。
7年はコーヒーのないカフェ(?)として成り立っていたのです。

それまでコーヒーを好きでなかった私が2007年にある焙煎士に出会いました。
生豆を山奥の湧き水で洗いハンドピックしたものをじっくり焙煎する元お茶屋の方で
スッキリとしたテイストで後味も良く、心が豊かになる香り。
理想のコーヒーで、そのコーヒーを提供することになりました。

私はコンビニや最近の若い子たちがやってるガツンと濃いコーヒーが好きではありません。
スッキリしてるけど芯のある、老舗ホテルの喫茶室のコーヒー、そういう物を目指してます。

それでも濃い方がお好みでしたらお申し付けください。
一杯一杯ハンドドリップで淹れておりますので、調整ができます。
ちなみにアイスコーヒーはガツン!と濃いですよ(笑)。

また昼時のランチの時間や追加の時はパフェを作るのに時間がかかります。
食事とスイーツでは全く別の繊細な仕事だからです。

...とまあ、当店のお客様はそんなうちの姿勢を気に入ってくださってるから
少々高くても(私はお値打ち価格と思ってますが)時間が掛かっても
長年通っていただいてるんですよね、本当にありがとうございます。


この度、産経スポーツのCyclistさまに
当店を取り上げていただきました!
その記事はこちら



ご存知の通り、私がサイクリストで半分仕事と言っていいほど自転車に関わっております。
サイクリストが困った時に手助けできればと思ってますが
全て、いつでも大歓迎というワケではありません。

先ほどから申しておりますように当店はティールームです。
優雅にお茶を楽しんでいただく空間を提供しております。
ですから、どうしても大声で話し雰囲気を壊すようになる大人数での来店はご遠慮ください。

阿蘇の草原も美しい新緑に覆われて来ました。



このGW。

大人4人子供3人で来て「パフェ、1つ」や
隣の店から来て、片付ける前の席に座り「まだ時間がかかるのか?」と言われ
「あと15分ほどかかります」と答えると出て行き
挙げ句の果てには「先ほどの経緯を説明をしろ!」と
一番込み合うお茶の時間に電話して来たり...
何なのでしょうね。

大手に、価格、スピードでは絶対に敵いません。
当店は美味しく、美しくを突き詰めたいと思います。

色々申しましたが、私どもがいい状態で店を続けていくのが
お客様にとって一番のサービスと思っております。
どうか、ご理解とご協力のほどお願い申し上げます。


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営業時間/11:00〜17:00
店休日/毎週木曜

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卒業

先週の日曜はお休みをいただき、ご迷惑をお掛けしました。
数年ぶりに日曜休むと勝手が違い戸惑います。

おかげさまで、息子の卒業式に夫婦揃って出席することができました。
子供の行事に顔を出すのもこれが最後かと思うと感慨深いものがあります。



高校に入学して4日であの熊本地震。
この体育館の天井も落ち、地震が深夜ではなく今この時起こったなら
多くの死傷者が出たんじゃないかと思うと背筋が寒くなります。
困難に直面してスタートした高校生活でしたが無事卒業できホッとしております。



クラスで卒業証書を渡されたあと子供たちの一言に感動して涙しそうになりましたが
男の子の方が泣きじゃくるのを見て笑いがこみ上げてきました。
この子たちの未来が輝くよう、環境を整えてあげるのが私たち大人の仕事だと思います。

春の限定メニュー「春イチゴのパフェ」好評です。
もう10個近く食べたお客様も。



4月20日〜21日にまだ春イチゴのパフェがありますか?とメールをいただいたのですが
@ezweb.ne.jp でブロックされているのでしょうか返信できません。

例年ですとゴールデンウィークまではご提供しておりますが
今年は暖かいので、早めに終了するかもしれません。
その場合はブログでお知らせいたします。

春物のお洋服が沢山入荷しています。
ふんわりとしたバルーンスリーブが可愛いワンピースや
胸元切り替えのロングワンピース、裾レースのペチスカートなどなど。
税別 2,000円〜とお買い得です。



また同時に冬物SALEも行なっております。
朝晩の寒暖差が大きい今の時期、まだまだ活躍してくれる
暖かアイテムをお得にGETしてくださいね。

庭の蝋梅が今年は見事でした。
この美しい香りはなんとも幸せな気分にさせてくれます。



明日、日曜はまた雨予報で野焼きが延期になりそうです。
どうして日曜だけ降るんでしょう、困ったものです。

3/21、春分の日は木曜日ですが営業いたします。
その前日の20日(水)にお休みをいただきますので、ご注意ください。

明日のミルクロードは霧で視界が悪いかもしれません。
どうかお気をつけてお越しください。


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営業時間/11:00〜17:00
店休日/毎週木曜
3 / 21(木)は営業、前日20(水)に休みます。

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もう2年..

先週、雪は降るには降ったのですが積もりもせず、中途半端。
雪景色を楽しみに来られた方、申し訳ございません。
天気予報でも気温が高いとのことなので、しばらく積雪はなさそうです。

季節の限定メニュー「春イチゴのパフェ」大好評です。



色合いも可愛らしいのがポイントなんでしょうか。
もう12年(13年?)ほど前から登場していますが根強い人気です。
十分ご用意しておりますが、売り切れの際はご容赦ください。

2月3日は節分ですが、ササの命日でもあります。
もう2年..もっと長い時間が経った気がします。
この時期は店にいてダンボール箱を見つけては入り、寝落ちしてました。



なんで猫はこんなにもダンボール箱が好きなんでしょう?
買って来たオモチャより箱の方が気に入って..なんて話もよく聞きます。
ササは箱だけじゃなく、どこでも寝てましたけどね。



猫のくせにこんな寝方をするのはどうかと思いますが..。
寝てる姿ばかりだとアレなので、目を開けたところも。
カラーボックス制作を邪魔するの図。



やっぱり箱好きということで(笑)。

ササにお供え物やお花をいただくのは大変嬉しいのですが
どうか、お気遣いなくお気軽にご来店ください。
皆様の心の中に生きてると感じるだけで、本当に有難いですから。

ネコのササキさんのお話でした。


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営業時間/11:00〜17:00
店休日/毎週木曜
3 / 3(日)は卒業式出席のため休みます

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節分

節分。

当店では特別な意味を持ちます。
昨年のこの日、看板猫のササキさんが虹の橋を渡って行ったからです。



もう1年、まだ1年。
ずいぶん長い年月が経ったような、昨日のことのような。
今のような寒い時期だと店の籠の中で寝ていたはずです、こんな風に。


お客様の荷物置きを陣取るササ

今でもお参りに来る方が絶えず本当に皆さまに愛されていたんだと
感謝の気持ちでいっぱいです、ありがとうございます。

今もどこかであのササのキョトンとした目で
店を眺めているような気がします。




相変わらず寒い日が続きますが
地元のお客様と常連のお客様に支えられて何とかやってます。

あまり多く準備をしていないので大人数の場合は
事前にご連絡をいただけると大変助かります。
6名様以上の場合はお断りすることがございますのでご了承ください。

先月の半ば、急に10名以上の団体様が来たのでお断りしました。
ギックリ腰で動けなかったというのもあります。
ひとりは日本語が話せましたが韓国から旅行者のようでした。

今まで20カ国以上のお客様にご来店いただき
何度も足を運んで頂いてる方もいらっしゃいます。
個人旅行の方は英語が達者なので、私の英語が拙くても
それほどコミュニケーションに困ることはありません。

アジア系でも香港、台湾、シンガポール、マレーシアの方などは
非常にスマートで好感を持っています、欧米の方はさらにステキですね。

韓国の方も映画監督や大手食品会社の社長など色んな方に来て頂いていて
在日韓国人の友達もいるので、決して嫌いな国ではありませんでした。

数年前、木魂館近くを自転車で走っていたら
パンクして立ち往生しているミニバンを見かけました。
様子がおかしいと思ったら韓国から家族旅行に来られてる方々でした。
どうやら慣れない左側通行で縁石にぶつかりパンクしたようです。

困ってレンタカー屋さんに電話するも言葉が通じないので
私が代り状況を説明し、スペアタイヤに交換し、宿にも連絡しました。
慣れない左側通行だと、そんなこともあるので気をつけてと言って
(あまり通じてなかったかもしれませんが)別れたことがありました。



さて話は戻って、その先日お断りした韓国人です。
わざわざアカウントを作って当店のGoogleマップに星1つを付け(それも二人も)
Facebookでもアカウントを作って星1つ付けたようです。

これが「恨(ハン)の国」と言われる所以でしょうか..。
食べて星を付けるならまだしも、対応できないとお断りした結果これです。
嫌韓ではなかった私たち夫婦も良い感情を抱くはずがありません。
非常に悲しく残念な気持ちです。
今は彼らの日本旅行が良い思い出になっていればと思うしかありません。

当店は裏のおばちゃんから地球の裏側、乳飲み子から90歳を超える
おばあちゃんまで常連さんがいます。

初めて来る人にも常連さんにも同じように気持ちを込めて
丁寧にお出ししたいと思っております。
それが大人数だとそれが出来ず、非常に心苦しいのです。
(パフェ8個同時になんて途中で溶けてしまい絶対できません)

大手とは違い、夫婦ふたり手作りでやっている小さなカフェです。
どうか、ご理解頂けますようお願い申し上げます。


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営業時間/11:00〜17:30
店休日/毎週木曜

タビ

皆さま、お盆期間中もご来店ありがとうございました。

今年は11日が祝日で流れが読めず、用意していたにも関わらず
12(土)は、ほとんどの物が売切れ申し訳ございませんでした。
三連休の中日という感じだったのでしょうか?
昨日は今までの8/15で最も静かな日で、今日はもう平日のようで本当に今年は分かりません。

それでも、来るときは来るんだ!と勇気をもらえたことが有難いです。
これからも、どうか宜しくお願いいたします。

今、こんな器が入荷しております。



当店の代名詞と言っても過言ではない波佐見焼の器。
今はあまり扱っていなかったのですが、今回久しぶりに揃えてみました。
是非ご覧になって下さい。

急に秋の風を感じるようになり、こんな商品も入荷しました!
色鮮やかなドライフラワー。



山梨の八ヶ岳の麓で化学肥料は使わず全て露地栽培された花を収穫。
それを見事なドライフラワーに仕上げられたものです。
人気のこの商品、可愛いブーケにして店頭に並べますので楽しみに待っていてください!


お盆は沢山の方にネコのササキさんのお墓参りをして頂き有り難うございました。
猫を飼ったのは初めてでしたが、その前に小国に帰って店をはじめるきっかけになった
「タビ」という雑種犬がいた話を少しさせてください。





日本がサッカーW杯フランス大会に初出場した年、1988年。

当時、福岡で登山用品店に勤務していた私は 妻とその友人ふたりを連れて
福岡市近郊の油山へハイキングに出かけた。
まだ若く近郊の低山など目もくれなかった私は 山頂でお湯を沸かして
カップラーメンでも作ればそれで満足するだろうくらいのつもりで登り始めた。

山道を歩いていると「ミューミュー..」という声がするような気がした。
止まって確認すると薮の方向から聞こえていた。
少し分け入ってみるとそこには黒く小さな塊があり、鳴き声はそこから発せられていた。

タ、タヌキ?そう私は思ったがどうやら犬の赤ちゃんらしい。
産まれたばかりでまだ目も開いてない。
「捨て犬だ、どうしよう?このままじゃ死んじゃうよ!」と女性達が騒ぐ。
放っておくのは簡単だ、だが持ち帰るには色んな障害がある。
公団のマンション住まいでは犬は飼えない。

ハイキングは中止してとりあえず飼い主が見つかるまでは
コッソリうちで預かることに、でもどうやって育てよう?
今ではスマホで簡単に手に入る情報でも当時は全然分からない。
とりあえずペットショップに行った。

牛乳はダメで犬用のミルクを与えなくてはならないとのこと。
だがそれは中々の値段がするものだった、それを哺乳瓶で与える。
人間の赤ちゃんと変らない。
さらに便は最初は温めた指でお尻をさすってやらないと出来なかった。

一日に何回もミルクを欲しがる、赤ちゃんだから当然だ。
共働きだった私たちは妻がカゴに入れてこっそり職場まで持って行き
更衣室でミルクを与えていた。
私のことが大好きだったようで仕事から帰ると毎日感激して
玄関でお漏らしをするという熱い歓迎を受けていた。
ソファでは私の上に座り、夜は私の脇の下で眠っていた。



最初はぬいぐるみのトトロと変らないサイズだった。
だがその後スクスクと育ちどうも室内で飼えるサイズではないことが分かって来た...。


GLAYの「Winter,again」が流れる冬の日、職場の部長に告げた。
「春で店を辞めさせていただきます」

「オマエの接客は完璧だ、でも愛がない」
と私を時には叱り飛ばし指導してくれた部長は一瞬困惑した顔をしたが
すぐに「決めたんか...」とだけ言って頷いた。
寂しそうに歩く背中を見つめながら本当に申し訳ないと思った。

犬を飼う環境の為に実家の小国に帰ろう!
何故かあれだけ嫌いだった小国に帰るという方向になっていった。
妻も反対するかと思ったが犬のためなら行こうと思ったらしい。



1999年の夏に小国に帰った、慣れない家ににオドオドするタビ。
まだ新しかった実家では部屋飼いすることは禁じられた。
元々動物が好きではない母が許すはずもない。
だから少年時代も動物を飼ったことがなかった。
まず玄関にケージを置いて新しい環境に少しずつ慣らすことにした。

すぐに庭を走り回るのが楽しいと思えるようになったようだ。
キッチリした性格で一度言ったことはキチンと守った。
ヨシ!と言うまでは生肉を顔の横に置いてもエサを食べなかったし(ただ目は必ず逸らした)
ここから出たらダメ!と教えたらまるで結界でもあるかのように家の敷地からは出なかった。

開け放した店にも入って来ず目前に座っていた。
ちょっとだけ前足が入っている分にはタビ的にはセーフだったらしい。
こうやって小国の生活に溶け込んで行った。

タビという名前は当時習っていた茶道にちなんで足袋から取った。
ホワイトソックスというのは言いにくかったからでもある。
その茶道がきっかけで今の店に繋がるのだから人生何がどうなるのか分からないものだ。

2013年夏のオール九州3時間耐久レース in オートポリスの前
私が自転車の整備をしていると横に来て作業を眺めている。
隙があるとすぐに撫でて!と顔を近づける。
以前はローラーに乗っている時は近づかなかったのだが
最近は近づいて来て撫でるのをせがむようになっていた。

歳を取ったなぁ...先週から急に動きが悪くなった。
お腹が張って来たので便秘かな?と思いヨーグルトを与えた。
だがどんどんお腹がふくれて来て週末前には動けなくなってしまった。



「月曜になったら病院に連れて行くな」
そういって日曜の茶のこ練も終了し月曜の朝から阿蘇の動物病院へと急いだ。
昔からある民家の一角にある動物病院はネコのササの不妊手術でもお世話になった。
入院もせずに帰ることができるくらいのほんの小さな傷だけで済んだ
そのときの腕の確かさと人柄に心酔していた。

クルマにタビを積む時にササが横に来ていた。
タビにいつも追いかけられて犬猿の仲で近づかなかったのに...。

先生が聴診器をタビのお腹に当てる「うーん、難しいですな...」
腹水を抜いてもまたすぐに溜まるでしょう。
手術するにしても高齢なので麻酔をかけた後、もう起きないかもしれないと。

「もう2、3日かもしれません」

今は苦しんでないですが、じょくそう(床ずれ)が出来て
ウジが湧くようでしたら痛がります、その時は安楽死も...
ある程度覚悟は出来ていたが容赦ない宣告にその場に茫然と立ちすくむ。
中型犬の寿命はだいたい15年ですから十分生きましたよ、と。

帰りのクルマ、苦しいようだが顔を上げ流れる景色を眺めている。
そうだね、ドライブが大好きだったよね。
行った先が動物病院で降りるのを拒否したこともあったよね。
クルマから降ろしバスタオルとペットシーツを敷き
先生が言ったように身体の向きを変えてあげようとした。

「ウーーーッ!ガウッ!」妻に牙をむく。
犬と一緒に育ってないタビは決してお腹を見せることがなかった。
兄弟や母親との触れ合いがなかったからだ、だから人を舐めることもしない。

おうおう!これだけ元気だったら大丈夫!
妻は店の準備をしてくると言ってその場を離れ私が身体の向きを変えてお腹を拭いて上げた。

気持いいだろ?するとタビが苦しそうに三回コフッ!コフッと息をした。
アレ?...タビ?タビ?
慌ててうつ伏せに戻し心臓マッサージをする。
だがもう二度と目を開けることはなかった。

戻って来た妻に死んじゃったと告げる。
ゴメン、オレが体勢を変えたから死んじゃったと謝る。
妻は夜中に誰にも看取られず死ぬより私に撫でられて死んだなら幸せだったろうと言ってくれた。

駐車場に続々とクルマが停まってくる、店に出なければならない。
そんな日に限って来るお客様が大切な人ばかりだ。
笑顔を作ることがこんなに大変だと思ったのは初めてだった、さらにお客様が途切れない。
ドッと来るわけではないのだが常にオーダー品を作っているような状態。
たまに倉庫に物を取りに行くとタビは普通に眠っているようだった。

大雨だというのに忙しい一日が終わった。
悲しみに暮れることなく働け!ということだったのだろう。
夕方、車庫と店の間の土を掘る。

愛するものを埋めるために穴を掘るという行為は非常にやるせない。
雨の後の蒸し暑さで汗が眼鏡に落ちて作業が捗らなかった。
石が混じって作業しにくい土を60cmほど掘った時にはもう真っ暗だった。
タビのサイズピッタリに堀った穴に抱きかかえて埋葬する。
抱っこしたのも久しぶりだった、最近はネコばかりだったものな...。

病院に連れて行く前に死んでいたらものすごく後悔していただろう。
でも病院で寿命だと言われ私たち夫婦は非常に救われた、そこまで頑張ってくれたんだ。



画像は最後に散歩したときの写真。
普段、散歩中に写真なんて撮らないのに何故かこのときは撮った。
リードに繋がないと敷地から出ない変った犬でした。

クルマでも自転車でも私が帰って来るとシッポをブンブン振って
クンクンと鳴いて迎えてくれていた、タビ。

今ではその気配もすっかり消えてしまったけど、時々思い出す。
小国に帰って店をやっていなかったら当然のことだが全く違う人生になっていた。
私の人生のターニングポイントは、あの日この犬を拾ったことだった。


ササと同じくらい大事な犬、タビのお話でした。
(2013年にFacebookに投稿したものを編集掲載いたしました)

春休み

ササの四十九日が過ぎてもお墓からお花が絶えることがありません。
皆さんに本当に愛されていたんだなと、痛感します。
中には、ちゅ〜るをお供えしてくれた方も。
この方はササに食べさせてくれたんですよね...。



ただ、ササの手触りや感触を忘れてしまいそうになります。
事故当時のことを思い出そうとしても、全部靄がかかったようになり
なかなか思い出せません、ただの老化なのかもしれませんが(苦笑)。



友人のターザン氏チャリダーしらいし氏もお参りにきてくれました。
娘さんたちもササのことを好きで遊んでもらってました、ありがとうございました。


娘さんと言えば近頃、常連さんに小学生の女の子がいるんです。
地元の小学生の女の子たちが雑貨を見たり、お茶をしたり。
私の頃だと考えられません!南小国にカフェなんてなかったですし(笑)

正月明けだと五千円札を持ってたりして今どきのお年玉ってこれくらいもらうんだ...
と岩倉具視の500円札がメインだった私たちとのジェネレーションギャップを感じたり(笑)。
そんな子たちが帰ったあとのテーブルの様子。



キチンと食器が並べてあって食べ方もキレイなんです。
よく最近の若い子達は...と言う大人が居ますがマナーも子供たちの方が上のことが多いです。
それが出来てないときは、その親が出来てないから。

でもこうやって(ホントの)女子会をやってくれるのは嬉しい限りです。
うちでは90代のカワイイおばあちゃんたちも女子会をするのですが
話してる内容は「もう◯◯ったら」とか「あの先生は..」とかで
今も昔もほとんど変らないんですね(笑)。
しかし女学校時代の先生って、きっともうご存命じゃないでしょうに...。


春休みというのに山では雪が積もって朝の通勤に支障がでたとか。
私もまだサマータイヤに戻せないでいます。
早く暖かくなって花見がしたいものです。
あっ、花見ってやったことないんですけどね、お酒飲めないですし(笑)

週末の気温も上がりお天気は良さそうなので、観光地は賑わいそうです。
皆さま、どうかお気をつけてご来店くださいませ!

その後

ササがこの世を去って2週間。
もう随分と昔の気がします。



先週お知らせした続きの話、申し訳ありませんが書くのをヤメました。
いろいろ考え、私が書いたことでスッキリしても
読む人がイヤな思いをすると思ったからです。

思わせぶりなことを書いてすみませんでした。
それでも詳細を知りたい方はお店でお尋ねください。

また改めてお見舞い、写真集のご注文ありがとうございました。
郵送分はお届けできたかと思います。
死んでもなおササが店のことを気遣ってくれてるようで温かい気持になります。
それに、こんなステキなものまで頂きました、ササの手作りハンコ。



猫好きの友人がササの写真を見て彫ってくれました。
三毛猫で難しいのによく特徴を捉えていて、そっくりです。
有難く活用させていただきます!


ササを見つけて病院に連れて行ってくれたHさんが退院して挨拶に来てくれました。
そして事故現場にもう一度行ってみると反対側にササの首輪があったと
持って来てくれました。



縁石の車道側にあったため、歩道からは気付きませんでした。
壊れて鈴も潰れてましたが最後に付けていた首輪のことが気にかかっていたので
見つかって良かったです、ありがとうございました。


事故から約一ヶ月、店の周辺はササの縄張りがなくなったからか
野良猫の出入りが多くなりました。
いつもは睨みを利かせていたんですね、あんなにおっとりしてるのに。



首を怪我してるのが気になりますがこの子はまだ若く、好奇心旺盛です。
瞬間、店の中に入って来ますが落ち着かないのかすぐに出て行きます。
そしてこちらの子は...



完全に警戒モードです(笑)
ここまで近づけるようになったので進歩でしょうか?
やっぱり最初から膝の上に乗って来たササは特別だったんだなと思いますが
この子達に少しずつ癒される毎日を送っています。


週末は久々にお天気になりそうですね。
道には雪もなくミルクロードや阿蘇登山道も普通に通れます。
でも暖かくなって急に忙しくなると私たちが対応できないのが難点ですね。
なるべく準備を怠らないよう、皆さまのご来店お待ちしております。

感謝

お見舞い、香典、お花、お手紙、メッセージ
皆さまの温かいお気持ち本当にありがとうございました。
心より感謝の言葉を申し上げます。



Facebookのリンクに一番にコメントをくれたのはイタリアのLucaさんでした。
熊本のレジェンド、福島さんもご来店頂き、涙を流してくれました。
元全日本チャンピオンでシマノレーシングの野寺監督からもお花が。

本当にたくさんの皆さんから良くして頂き、ササのスゴさを実感しました。
人が大好きだったササは天国で喜んでいることでしょう!
ただ問題は私がササに会えるかどうか、このままだと天国に行ける自信がありません..。


店の庭、入口付近にササのお墓を作りました。
墓石はササがよくスリスリしていた軒下の丸い石。
お花とエサをお供えしていると早速近所の猫がお参りに来ました。



...ってエサ食べに来たのかい!

いつもビクビクしていて全然懐かないこの子もちょっと気になるようです。
ササが元気だったころは縄張りに入って来る猫ににらみを利かせていたのですが
その力も香りもなくなってしまったんでしょうね。
でも、こうやって別の猫でも来てくれるのは嬉しいです。


金曜朝にササが旅立ったとき、息子は修学旅行中だったので伝えませんでした。
土曜日に帰って、週末はそのまま寮で過ごすハズだったのですが
急遽迎えに行ってササの最後を話しました。

薄々危ないということは分かっていたのか表面上は冷静に聞いてました。
昨年末に仲の良かった友達が急逝したことが彼を強くしたのかもしれません。
どちらにせよ、悲しいことには変りはないでしょう。
息子はその晩から熱を出し寝込んだので迎えに行って良かったと思いました。

家族全員で写真を撮ったことがなかったことに気付き最後に記念撮影しました。



私たちが仕事で遅くなる時も一人息子の良い遊び相手で
「ササがいるから寂しくないよ」とまるで兄弟のようでした。
帰省するときも私たちに会うよりササに会うのを楽しみにしていました。

彼にとって親元離れ高校に入学して早々の地震から
色んなことがあり過ぎて忘れられない一年になったことでしょう。
できればもっと良い思い出を作って上げたかったです。


お墓を作ったと言いましたが墓穴を掘ってもすぐに埋葬する気になれず
しばらく私の枕元に置いて過ごしました。
夜「おやすみ」と言って撫で、朝に「おはよう」と撫でると
ただ眠っているかのようでした。

晴れた月曜の朝にやっと埋葬すると随分気持ちの整理がつきました。
寂しさと借金が残っただけじゃないか..と悲観にくれていましたが
皆さまから多くの温かい気持ちが届いたおかげで前を向けそうです。

それとペットを飼ってらっしゃる方には保険に加入されることをおススメします。
動物の入院手術にはビックリするほどお金がかかります。
私も人間用は十分掛けていたのですが..。


明日から週末にかけて雪のようですね。
雪が降るとまたササを思い出します。



雪でもパトロールを怠らなかったササ。
むしろ雪が好きなの?と思うほど。
足跡が沢山残っていて、どこを歩いているのか分かるのも面白かったです。
ただ雪で交通が混乱するのは大変です、皆さまどうかお気をつけて。


有難いことに沢山のご注文を頂き、写真集の発送に時間が掛かっております。
週末までにはお届けできると思いますので、どうかもうしばらくお待ち下さいませ。

信じられない後日談があるのですが、それはまた次回にでも。

その日

2017年2月3日。



冬の晴れた日らしく冷え込み、朝はマイナス5度。
だがミルクロードに雪はなく阿蘇五岳、くじゅう連山は元より
祖母・傾までキレイに見える。
日中は気温も上がり絶好のドライブ日和だ。


そのネコがやって来たのは2011年の8月13日だった。

庭でハーブを摘んでいるとチョコチョコとやってきて
いきなり膝の上に乗ろうとする猫がいた。
数日前、息子が子猫がいた!と連れて来た野良猫だった。

エプロン姿の私は振り払うが、お盆ということもあり邪見にできなかった。
人の行動をジッと見る姿は、どこか死んだ婆ちゃんに似ていた。


2011年8月17日

その日の午前中、佐々木さんという女性が旦那さんと
アップダウンのキツい、ファームロードを自転車で走って来た。

「マツさん!以前走った、道から川に降りれるところってどこでしたっけ?」
「それは、そば街道で、そこのヤンマーを曲がって行ったとこ」
と伝えるとじゃあ!と言って店にも寄らずに去って行った。
「これくらい登れなくてどうするの!」という旦那さんを叱咤する言葉を残して。

そんなことがあったすぐ後にやってきた、当時はまだほっそりとした三毛猫を
冗談で「ササキさん」と呼んでいたらそのまま定着してしまったのだ。

一応これでも飲食店なので、野良猫が出入りするのは良くないと
店内には入れなかったのだが、いつの間にかお客様と一緒に入って来て
隅っこにちょこんと座っていた。

棚やテーブルに登ったりという悪さをしない。
だから雑貨を壊したり食べ物に手を出したりということがない。
人のすることをジッと見ていて撫でられるのを待ってる。


これなら店にいてもいいかも...と思っていた矢先。
やってきて4週間目、9月のある日パタリと姿を見せなくなった。

家に帰ったのかな、飼い主が連れて帰ったのかな..と心配していると
さらに4週間後の10月、ササは怪我をしてボロボロの姿で現れた。
すぐに病院へ連れて行き、同時に避妊手術をしてもらうことにした。
飼うことを決め、まずは店の外の棚に専用の寝床を作ってやった。


2011年11月1日

おっとりとした性格で、動じない。
寝床ごと下に落ちても、動じない。



人が大好きで特に子供相手だとテンションが上がり
柳の木に登ったりオーバーアクション気味になる。
まるで「こんなことできるのよ!スゴいでしょ!」と自慢しているかのようだった。

冬になり寒くなってきたので家にも上げるようになった。
当時小学5年生だった息子と寝るササ。
自分から布団に入って来て、その態度はないだろうに。


2011年12月23日

毎朝、5時半に私を起こし生エサを催促し、食べたらお出かけ。
そして専用の入口を作ってもらってた向かいの家のオジさんの布団に潜り込む。
オジさんが仕事に出ると、うちに帰って来てゴロゴロ。
しかし、猫って新聞読んでると乗って来るのは何故だろう...。


2012年6月16日

店に行くときに一緒に出かける。
階段を、ひっくり返りながら滑り降りていくのが大好きで
それをサポートするのが(しないと、えっ?って顔される)毎朝の日課だった。


2012年7月25日

店で過ごすときは、窓から外をチェック。
パトロールに出かけ帰って来るとエサを食べ昼寝。
出る時もエサ待ちも全然催促しない、扉の前で、エサ入れの前でジッと待つだけ。
本当に行儀の良い子だった。


2014年8月22日

夕方店を閉め「帰るよ!」と声をかけるとスタスタと歩いて来て一緒に帰る。
買い物に行くときは車庫でお見送り、帰って来るまで待っていた。
自転車のトレーニングに行く時も見送ってくれ、当然のように待っていた。


2014年12月31日

たぶん、中身は犬だったんだと思う。
猫は気まぐれというが、私の方がよっぽど気まぐれで迷惑をかけていた。


2015年11月6日

いつも店の入口の丸太に乗って看板ネコの仕事をしていた。
ここで多くのお客様に頭を撫でられてご満悦だった。


2016年1月29日

息子が熊本市内の高校に進学してからは、ササが生活の潤いだった。
地震のとき動物は避難所に入れないので一緒に車中泊で過ごした。
麻ヒモで繋いで散歩したりして、それはそれで楽しそうだった。


2016年4月19日

ササの写真はたくさん撮ってるけど、私と一緒に映ってる写真はあまりない。
元気な姿を納めた最後の写真は偶然私とのツーショットだった。


2017年1月15日

1/19(木)いつものように一緒に家を出た。
いつものようにゴロりんと階段でひっくり返るのでハイハイと言いながらお腹を撫でる。
ただ休みだから店には行かない。

出かける前にちょうど生エサがなくなり、もっと食べたそうだったけど
最近太り気味だったのでガマンさせた。
あのときお腹いっぱい食べさせていれば良かった。
そうしたら、時間がズレて事故にも遭わなかったかもしれないと思うと
悔やんでも悔やみきれない..。

お昼は向かいのオジさんのところにいて、午後は出かけたそうだ。
そして帰って来ないので探していたが見つけられず、偶然隣のHさんが事故を見て...
(そのときの様子は以前のブログに詳しく書いています)

助けてくれたHさんはその3日後、旅館で運悪く脚立から落ち右腕を骨折した。
事故のときあれだけ世話になったのにどうして!と思ったが
同僚のMちゃんが「頭を打たなくて利き腕の左じゃなかったのはササのおかげ!」
と言ってくれた、なんてポジティブで気の優しい子だろう。



2月2日の休み、午前中病院へ見舞いに行くと夜は連れて帰っては?と言われた。
夕方まで時間をつぶすために本屋に行くと紀伊国屋にササがいた。


2017年2月2日

よく見えないかもしれないけど、右の黄緑色の本の表紙の中にササがいる。
表紙を飾ったカバーガール、TV取材のときもいつの間にか出ていた。
じゃらんに店のことより大きく載ったときは
「雑誌を見てササキさんに会いにきました!」とファンを増やした。


夕方、車に乗せて連れて帰ると気分が変わったのか、顔つきが穏やかになった。
昔は車が大嫌いで乗ってる間中「みぃ..みぃ..」と不安げに鳴いていたのが
あの車中泊以来、好きになったようだ、隙を見ては車に乗るようになった。


2017年2月2日

そう、ササの鳴き声を聞いたことある人は少ないと思う。
飼い主でさえ、1日に1回聞くかどうかだった。
外から帰って来たのに、しばらく家に入れなかったとき
「ニャニャッ!!ニャッ!」と抗議の声を上げるくらいだった。

それと聞こえるか聞こえないくらいの、かすれた声で「アー」。
どうやらこれは子猫が親猫に甘える時の鳴き方のようだ。


夜、家で点滴に繋がれたササはとても苦しそうだった。
寝ずに看病する、5時半くらいにとても苦しそうだったので首の包帯を緩めた。
あとで聞くとその頃、向かいのオジさんはササが来た音がしたと言っていた。

6時には落ち着いたので峠は越えた!と思った。
8時半過ぎに家を出て病院へ向う。
昨日のブログに書いた病院まで無事に送り届けるという目標を果たせたと思った。

ササの気分も悪くなさそうで、少し安心する。
ミルクロードを走り唯一の信号を左折し兜岩展望台の手前、時間は9時過ぎだった。

急に苦しそうに大きく口を開けたあと動かなくなった。
すぐに車を停めて、心臓マッサージをする、息を吹き返した!
でもまたすぐに息をしなくなる。

2回、息を吹き返した。
でも、それ以上は無理だった。

交通事故のあと誰にも見つけられず死んでいたかもしれないササが
皆の助けのおかげで最後は妻の腕の中で、この世を去ることができた。


2017年2月3日

そこから引き返し家に帰った。
借りていた点滴の機械や注射器を取りに戻るためだ。
ちょうど向かいのオジさんが帰って来ていたのでお別れが出来た。

オジさんは入院中、ササに会うことを目標に病気を克服したくらい
ササのことが好きだった、お孫さんたちもササに会うのを楽しみにしていた。


もう道を急ぐことはない。
病院に連れて行き身体中から出ていた管を外してもらう。
先生の好意でキレイに洗ってくれ丁寧にブラッシングまでしてくれた。
手術のために毛があるところが少なくなっていたけど...
出来る限りのことをしてくれた先生にお礼を言い病院を後にする。

これでゆっくり眠れるね、痛くないね。
2回の手術に耐え、私たちに希望を与えてくれたササ。
多くの人が支えてくれ応援してくれてた。


もう5時半に起こされることはないし
休みの日にササが待ってるから早く帰らなきゃ!と急ぐこともない。
泊まりがけで、どこかへ行くのも気にしなくていい。

でも動けなくなっても、手がかかったとしても
もっとササと一緒に暮らしたかった。
この5年半、本当に本当に楽しかった。


2016年12月29日 息子の冬休みの宿題のジャマをするササ

今このブログを書いている瞬間もササが私をジッと見つめ
お尻をプリプリと振って膝の上に飛び乗って来るんじゃないかと思ってしまう。

そして、しばらくは店の入口や軒下にいるんじゃないか?と探してしまうだろう。
事の次第を知らないお客様に「今日ササちゃんは?」と聞かれることがあるかもしれない。
全てを受け入れるには、まだしばらく時間がかかることだろう。

ササを助けられなかったと泣き崩れる妻に義姉が
「あなた達に拾われなかったら、とっくに死んでいたと思うよ」
「ササは最後まで幸せだったじゃない」と言ってくれたのが救いだった。



ある日突然やってきた風変わりなネコの名前は、ササキさん。
皆さまに可愛がっていただき、本当にありがとうございました。
たくさんの励まし、お見舞い、写真集の購入もありがとうございました。
心より感謝の言葉を申し上げます。

もう店にはいないけど
たまにササのことを思い出して頂ければ嬉しく思います。



2016年4月30日 震災後の救援物資の上で寝るササ

ササよ、安らかに。



2/8(水)は展示会のためお休みをいただきます。
2/9(木)と連休になりますのでご了承下さいませ。